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桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】

第20章 Reincarnation【宇髄天元】






「…え?私たちどこかで会ってました?」


「おう!会ってた。大昔な。」


「さっきから大昔、大昔って何ですか?新手のナンパですか?でも、ちょっとバツ3の人とは無理です。ごめんなさい。」


確かにイケメンだ。今までに見たことないほど。嫁が三人もいたと言うのも肯ける。
でも、流石にバツ3の男と付き合うのは些か抵抗がある…と言うか無理だ。
二回までは出会った相手が悪かったと思えるが三回以上は自分の性格に問題ありだろ?!と思ってしまうので、お断り申し上げる。



「って、おーーい!何だよ、それ!別にバツ3じゃねぇって!大昔って言ったろ?!今は未婚だし、一度も結婚してねぇから。」


「何言ってるんですか…?よ、酔ってます?」


もう何を言ってるのか意味不明だ。
首を傾げるどころか360度回転してしまいそうなほど。


「酔ってねぇわ。酒は強いんだ。知ってんだろ?」


「え、知りませんけど。」


「……、俺と付き合わねぇ?」


「無理です。ごめんなさい。あなた怪しすぎます。怖いです。さようなら。」


訳の分からない話を延々としてくるその人が怖くなってきて、グビグビーっと奢ってもらったリベットのハイボールを飲み干す。

いつも飲んでる安いハイボールと違って、香りも凄くいいし、美味しい。
でも、自分なんかと接点があるわけのないイケメンが急に交際を申し込んでくるなんて怪しいとしか言いようがない。

訝しげに彼を見て立ち上がると、自分の分のお金を置いてダッシュでお店を出た。


でも、その人は追いかけてくることはなかった。

それはラッキーだったけど、ただ暫くあの店にも行けない。折角近場で飲める穴場スポットだったと言うのにあのイケメンのせいで台無しだ。

小走りで向かう家はすぐ其処。
宇髄さんの言葉が頭から離れずにいる。
何処かで出会っていたなら一体何処なのだろうか。
自分だって少なからず既視感を覚えていたのは事実。
もう2度と会いたくないと思っていたのに、その既視感の正体は知りたくて仕方なかった。



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