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桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】

第19章 日傘の贈り物【宇髄天元】※完結しました。10/19





「宇髄さん、最近ご機嫌じゃないですか。何かあったんですか?」
「はぁ?別に…。何もねぇけど…。」


朝から後輩の善逸にそんなことを言われて思い浮かぶことはあるにせよ、コイツに言うのも何だか癪だ。何かとやっかみしてくる奴で、ちょっと女性社員から声をかけられただけで鬼のように「イケメンは得っすよね!!」と何故か八つ当たりをされる。

そんなことを言われたところで俺がイケメンなのは生まれ持ってのことだし、コイツにとやかく言われても変えられようもないのだからいい加減やめて欲しい。


しかし、毎日のことだ。
それもルーティンというか日常にありつつあるので苦もなく返せるのだが、今日もまたやっかみを言われるのかと思いきや、冒頭の台詞。


どうやら俺は機嫌がいいように見えるらしい。
それは強ち間違いでもなく、つい最近よく朝見かけていた日傘の女に声をかけたらよく話すようになったのだ。


日傘の女と言うのはいつも日傘をバッチリ差して、日焼け対策完璧な同じ電車に乗る女のこと。
日傘をしていてもチラッと見える顔は割と可愛くてついつい目が引く女だった。

でも、数日前初めて日傘を差していないアイツを見かけたのだ。
あんなに日焼け対策完璧な奴だったのにどうしたんだ?と思って注意深く見ていたら真っ赤な顔をしていて、ボーッとしている。
汗も引いてしまってるようだったので完全に熱中症になりかけてると感じると慌てて日差しを避けるために前に立ってやって、話しかけたのだ。


それからと言うもの朝会えば向こうから話しかけてくれるようになって、毎朝途中まで話しながら通勤するのが日課になった。

まぁ、要するにそれが楽しみなのだ。
話しやすい奴だし、割と話題も合うと言うか。
そんな俺を見て目敏く見破ってきたのが目の前にいる善逸だ。


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