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桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】

第18章 武器は君そのもの【トラファルガー・ロー】





「…分かりました。絶対に彼らに手を出さないと誓って下さい。」

「約束しよう。僕は元よりハートの海賊団には興味はない。君を探していたと言っていただろう?」


そう言うと彼は部屋を出て歩き始めた。
急に歩き出したので驚いたが、ずんずん進む彼に少しの迷いも感じない。


「…ど、どこに行くんですか?」

「すぐにでも結婚式をしよう。そのために美しいドレスを準備したんだ。さぁ、行こう。君にぴったりな花の教会がある。」


…花の教会と聞いて真っ先に思い浮かんだのは先ほど見上げた先に見えた丘の上の教会だ。
花に囲まれて綺麗だったからあとでローさんに連れてきてもらおうと思っていたのに。


その男が歩みを進める度に景色も変わっていき、今から行くところがローさんと行きたかった教会でありませんようにと願っていたがその願いは無駄だったようだ。


「…あ…。」


情報収集を終えたらお花の紅茶を飲んで、此処に連れてきてもらおうと思ったのに…。目の前に広がる彼と来たかったそこに一緒にいるのは名前も覚えていない元患者さん。


ゆっくりと降ろされると私の手を取り自らの腕に絡ませた。
ああ、バージンロードを歩かせる気なんだ、と分かると鳥肌がたった。私とて女だ。結婚は好きな人としたいと言う欲くらいある。

よりにもよって碌に知らない男と結婚なんて前世で人でも殺したのだろうか?あまりに酷い仕打ちだ。


薬で歩くためには彼の腕に掴まらなければ無理だ。必然的に好きでもない男の腕を掴んで歩くなんて地獄に見舞われているのだが、これでハートの海賊団のみんなを守れたのならばよかった………


よかった……




よくない!!!




だからといってここから逃げ出す術もないし、逃げたらみんなに危険が及ぶならこのままここにいたほうがいい。

無理やり歩かせられている先には色取り取りのステンドグラスの中、マリア様がこちらを見下ろしている。なんて無慈悲なマリア様なのだろうか。



するとぞろぞろと出てきたお仲間らしき人たちに私は目を見開いた。

隙を突いて逃げ出そうかと思ったことなんてもう忘れてほうが良さそうだと思わざるを得ないその状況にもう私は諦めることにした。



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