モブキャラが溺愛されて本編からズレてますけど大丈夫そ?
第1章 ①
デイビッドはニヤリと笑うと、を抱きしめる。
「を初めて見た時からずっとこうしたいと思っていたんだ」
___________3ヶ月前
デイビッドは学園生活にうんざりしていた。
卒業と共に婚約者を決め、王太子として務めを果たさなければならないのはわかっている。
しかし、入学した途端に、我先にと群がる女達に1週間でうんざりしていたのだ。
皆、家柄を自慢し、自分を選べと群がってくる。
家柄は彼女らの手柄では無いし、それに伴う能力がなければ何の意味も持たない。
特にアマンダという令嬢には手を焼いていた。
既に王太子と婚約を内々で内定してるだとか、体の関係を持っただとかある事ないこと吹聴してまわるからだ。
家柄もそれなりで、権力もある為取り巻きも多く嘘も誠にされかねない。
今日はどこへ逃げようかと昼休みにさまよっていた所をアマンダに見つかってしまい全力で逃げている所だ。
裏庭の木陰に差し掛かった時、ちょいちょいと手招きをする少女がいた。
不思議に思ってそちらへ向かうと猫とランチを楽しむがいたのだ。
さっきの手招きは自分ではなく猫にだったのか・・・と少しガッカリしながら彼女の元に向かうとサッと手を引かれ、奥の茂みへと隠された
「あら、さん、デイビッド様は見かけなかったかしら?」
は無言でふるふると首を振る
「あら、アマンダ様の傍には寄り付きませんよォ、こーんな下級貴族の娘」
「ほんっと、猫と戯れて汚らしい」
「アマンダ様もお洋服が汚れてしまいますわ」
「そぉうね、行きましょっ」
アマンダ達は言いたいことを言うとさっさと「デイビッド様あ!」と言いながら去っていく。
「・・・も、大丈夫」
の小さな声に反応するとデイビッドが茂みから出てくる
「助かった、ありがとう」
「ダンとのお昼、邪魔されたくなかっただけ」
そう言っては猫のおそらく彼の名前はダンと言うのだろう、優しく撫でていた
デイビッドにはまるで興味が無さそうだ。
「たまごサンド?」
「好きですか?」
「うん」
「じゃ、おひとつどうぞ」
なんだか彼女との会話を終わらせたくなくて思わず話しかけてしまった