第1章 憎い敵・・・でも、好き【赤頭巾】
side ハンジ
エレンと、ジャンが部屋を去った後・・・
「・・・エルヴィン。エレン達が言ってた男って・・・。」
エルヴィンも考えていたらしい
「あぁ、あの男ってのはリヴァイだろうね。」
と、答える。
私達の懐かしの、仲間であったリヴァイ・・・。
エルヴィンも彼のことを思い出したのだろう。
リヴァイのことを考えていると昔の記憶が蘇ってくる・・・。
まだ、リヴァイが私達と一緒にいたとき・・・、
いつも、彼は愚痴をこぼしながらも私達と共に行動し、なんだかんだ和気あいあいとしていた。
一緒にご飯をたべたり、一緒に話をしたり・・・。
今にしてみれば、その何気ない日常が楽しかった。
だが、ある日・・・
「ねぇ、リヴァイ!!」
いつものように、彼が生活していた部屋の扉をいつものようにノックもせず開けると、彼はいなかった。
そう、忽然として姿を消したのだ。
いつもなら、
「ノックをしてから入れって言ってんだろ、クソメガネ。」
って、部屋の中心にあるソファーに腰掛け紅茶を飲みながら言って、でもなんがかんだいって部屋に入れてくれていたのに・・・。
そして、初めて気付いた・・・、彼は自ら何処かへ消えたのだと・・・。
私はなぜ消えたのかが理解できなかった。
大事な仲間だと思っていたのに、急に何も言わず消えた事・・・、でも後から私は気付く・・・。
彼が消える理由はあれに関係することしか・・・
「ハンジ・・・?」
ずいぶん考え込んでいたらしい。
エルヴィンが私の顔を覗き込んできた、心配されたみたいだ。
「あぁ、ごめん!!つい、リヴァイのこと思い出しちゃって・・・。」
「リヴァイか・・・、一体どこに行ったんだろうね・・・。」
部屋が静寂に包まれ、寂しさが増す。
窓から見える外にいる鳥の鳴く声が部屋に聞こえることによって、部屋の静けさがさらにあらわれ、私たちの心を表すように、鳥は飛んでいった。
そう、リヴァイが消えたことを象徴するように・・・