第20章 強運尽きて/千石清純
「う…はぁ〜…俺ってダメだなぁ。情けないよ。好きな子にここまでさせちゃうなんて…。俺、ちゃんをデートに誘っておきながら、他の子もデートに誘うなんて本当に不誠実だったと思う。本当にごめん。改めて俺からも言わせて欲しい。俺はちゃんが好きだよ。」
私はその言葉を聞いて、目に涙を浮かばせた。
「俺、今日誘った子は断るし、もう他の子口説いたりしない。これからは、ちゃんだけを見る。だから、良ければ付き合って欲しい。」
いつもとはまるで別人のような真剣な表情で千石はそう言った。
「絶対約束だよ?」
「大切にする。絶対、もう泣かせたりしないから。」
そう言うと、千石は私を力強く抱きしめた。
「亜久津にも感謝しないとね。」
私がそう言うと、千石はバツが悪そうに苦笑した。
そんな千石を見上げて、私も笑った。
Fin.
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<おまけ>
付き合って3ヶ月。大切にする、という言葉通り清純は手を繋ぐ以上のことはしてこなかった。
キスですら、私が告白した時に頬にしたきりしていない。
物足りなくなった私は、ついに行動に出た。
放課後、私の家に招くと部屋に入るなりベッドに押し倒した。
「ちょっ!何してるの!」
私は清純に馬乗りになると唇にキスを落とした。
そして、舌を入れ…ようとするも頑なに閉じていて入らない。
「きよ…?なんで…?」
「大切にするから…!結婚まではこういうのはしないようにしよ!?」
大切にする、の意味をまるで履き違えている清純との初体験はまだまだ先になりそう。