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裏・テニスの王子様♡

第18章 必見実験大発見/乾貞治・柳蓮二



《夢主side》


大学生になって、“研究サークル”に入ってから半年。

私はいつものようにサークルの仲間たちが“研究所”と呼ぶ部屋へと向かっていた。


研究所の前に着き、ドアを開けようと手をかけると中から話し声が聞こえた。


どうやら2つ上の乾先輩と柳先輩が会話をしている様子だった。


聞き耳をたてるのは良くないと思い、私は手をかけていたドアをゆっくり開いた。


「やぁ、君か。お疲れ様。」


「お疲れ様です、乾先輩。柳先輩。」


「あぁ、お疲れ。」


挨拶を交わしながら、先輩たちの傍の机に目をやると変わった色の液体が置かれていた。


「乾汁の研究ですか?」


私がそう問いかけると、先輩たちは顔を見合わせて笑った。


「いや、これは乾汁じゃない。俺たちで開発した新薬だ。」


乾先輩はピンクと紫の間くらいの色の液体が入った小瓶を持ちながらそう言った。


「新薬?すごいですね!どういう効き目なんですか?」


「ふっ。まぁ、いわゆる媚薬と言ったところか?貞治。」


今度は柳先輩が怪しく笑ってそう言った。


「媚薬!?そ、そんな科学的根拠の無い…」

「じゃあ実験台になってくれるか?」


私が言い終わらない内に乾先輩が口を開いた。


「、、、え?実験台?」


「あぁ、そうだな。とりあえず飲んでみてくれ。」


柳先輩も便乗するように続けてそう言った。


「えぇ…?でも心配です…大丈夫なんでしょうか…?」


不安を拭いきれず戸惑いながらそう質問を投げかける私に、「心配ない」と乾先輩は答えると更にこう続けた。


「成分は全て口にしてもいい食材を配合しているから問題ない。」


「では、すまないが飲んでみてくれないか?」


先輩たちに促されるまま私はその小瓶に入った液体を全て口に含んで飲み干した。


「うーん…味は思ったより普通…。というより、思った以上に美味しい…?」


「そうか、それはよかった。その媚薬は即効性がある訳じゃないからな。何か体に変化があったら教えてくれ。」


乾先輩はそう言って、メモをとりながら私を観察した。


特に私自身に特別な変化がないまま、暫く時間が経過した。


その間、先輩たちはずっと私の頭のてっぺんからつま先までを舐めるように観察し続けた。


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