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裏・テニスの王子様♡

第17章 恋ってなんや?/遠山金太郎



☆☆☆

連絡先を交換してからというもの、毎日何度もメッセージが来た。


『今日は体育あるから楽しみや!』


『今日はたこ焼きパーティーやで!』


『今日の雲ドーナツみたいやったで!』


時には写真付きで、他愛もない内容のメッセージが毎日送られてくる。


その度に私は、当たり障りのない返信をしていた。


『姉ちゃん、ワイと話すの楽しい?』


ある日、そんなメッセージが届いた。


『楽しいよ!』


私は不思議に思いながらもそう返信した。



☆☆☆


何ヶ月か経った頃、白石くんが私に声をかけてきた。


「ちょっとええか?金ちゃんの事なんやけど…」


「金ちゃん?どうかしたの?」


「金ちゃんに相談されたんや。最近姉ちゃんのこと考えたら胸が苦しくなるんやって。」


白石くんはそう言うと、「あとは本人と話し?」とその場を後にした。


胸が苦しくなる?それって…。

私は携帯電話を取り出すと、金ちゃんにメッセージを送った。


『ちょっと2人で話そう?放課後、校門の前で待ってる。』


☆☆☆

その日の放課後、私はメッセージの通りに校門の前で1人佇んで金ちゃんを待っていた。


「姉ちゃん!ごめんな、待ったよな!」


金ちゃんが息を切らしながら私に駆け寄った。


「ううん、大丈夫だよ。ちょっと歩こっか?」


私は金ちゃんと並んで宛もなく歩き出した。


「実はね、白石くんから聞いたんだ。私の事考えてると胸が苦しくなるんだって?」


「そうや!姉ちゃんひょっとして…魔女やな!?ワイに胸が苦しくなる魔法かけてるんや…!」


私は思わずぷっと吹き出すと、あははと声を出して笑った。


「私は魔女じゃないよ、でも魔法はかかってるかもね?」


「なんやそれ?どういう意味や?」


「恋の魔法?」


「恋?恋ってなんや?」


「私の事考えるとさ、胸が苦しくなる以外に何かないの?」


金ちゃんはその問いかけに頭を悩ませると、意外な答えが返ってきた。


「あ!アソコがおっきくなるんやで!」


「は…?…アソコって?」

「せやから、ここや!」


金ちゃんは自分の下半身を指さし再びそう言った。

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