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裏・テニスの王子様♡

第16章 男は度胸/向日岳人



☆☆☆
その日の部活で、私と岳人は2人で侑士くんの元へ行き事の顛末を報告した。


「ほー…岳人、やるやん」


「だろだろ!?」


「まさか、岳人が告白するなんてなぁ…。」


「え!お、おう、まーな!」


侑士くんの言葉に岳人は目を泳がせながら答える。

そんな岳人を横目で見ながら私は口を開いた。


「先に言ったのは私だけど。」


「はぁ?岳人…情けないやっちゃなぁ…。好きな子に先に言わせちゃあかんやろ。」


「う、うるせぇな。元はと言えば侑士が…!」


「人のせいにするんは良くないで…?」


「と、とにかく!今日は俺が家まで送るから!邪魔すんなよ!」


侑士くんはやれやれと言わんばかりにため息をついた。


その日の練習中の岳人は、心做しかいつも以上に気合いが入ってるように見えた。


練習が終わり、1人部室の前で待っていると岳人が勢いよく飛び出して来た。
私を見つけるとすぐさま寄ってきて、まるで犬がしっぽでも振ってるかのようだった。


「よし!ちゃんと待ってたな!行こうぜぇ!」


岳人は私の肩に腕を回し、自分の方へと引き寄せながら歩き始めた。


「岳人…!歩きづらいよ!」


岳人はお構い無しに肩に腕を回すのを止めることなく、鼻歌を歌いながら歩き続けた。


半ば強引に引っ張られるように歩きながら、無事に私の家に着くと、「えーもう着いちまったのかよっ!」と口を尖らせる岳人。


「じゃあちょっと家に寄っていく?」


そんな岳人を見かねた私はそう言って、岳人に家に入るよう促した。


「ただいま〜、ってあれ?誰もいないみたい。」


玄関を開けると家の中は真っ暗だった。
とりあえず手近にあった電気のスイッチを付けると、やはり誰もいない様だった。


「まぁいっか。私の部屋、階段上がって正面だから先に行って適当に座っててくれる?」

私は岳人にそう言うと、リビングで飲み物を準備したり部屋着に着替えたりした。
準備した飲み物を手に自分の部屋に入ると、岳人はベッドに横になって携帯電話をいじっていた。

(私のベッド…。デリカシー無いにも程があるでしょ…。)

私はそんなことを思いながら手にしていたコップをテーブルに置いた。

「お、サンキュー!」

そう言うと、岳人は勢いよく飛び起きて飲み物を飲んだ。
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