第9章 誘い誘われ/不二周助
《不二side》
僕が部室に入ると、真っ先に目に飛び込んだのは四つん這いで何やらしているマネージャーの姿だった。
体勢のせいか、履いているスカートの裾がいつもより上にあがっていて白い太ももがチラついていた。
「ちゃん。何してるの?」
「あ!不二先輩!お疲れ様です!」
マネージャーは僕に気付くと、立ち上がって挨拶を交わした。
「何か落ちてるみたいで…」
そう言って、光を指さすマネージャーの髪は少し乱れていた。
「僕が取るよ。」
「いえ!私がやります!」
妙に意気込んでいるマネージャーの勢いに押されて、言われるがままにお願いすることにした。
両膝をついて隙間に手を伸ばすマネージャーを僕は後ろから見ていた。
手が伸びれば伸びるほどに、マネージャーのお尻が突き出てきて、スカートから覗く太ももの面積を増していった。
「もう少しっ…」
マネージャーがさらに体を伸ばすと、制服から細いくびれが見え隠れする。
「取れた!」
その声で僕は現実に引き戻され、今までマネージャーの体に見蕩れていたことに気付かされた。
「君は、無防備すぎるね。」
天才だなんだと言われる僕だって、まだ普通の年頃の男だから、
あんな姿見せられて黙っているムスコじゃない。
目的を果たし、ひと仕事終えたようにしゃがみこむマネージャーを、僕は誘われるかの如く後ろから抱きしめた。
「自覚ないんだろうなぁ…」
そう独り言のように呟くと、マネージャーはどうしていいか分からないという風に硬直していた。
僕はそんなマネージャーを床に組み敷いて、マネージャーの手首を押さえつけた。
「ふ…じ…先輩…?何して…? 」
状況が把握出来ていない様子で困惑するマネージャーを、僕はこれからどうしてやろうかと期待に胸を膨らませながら微笑んだ。