第6章 I SCREAM/丸井ブン太
《夢主side》
「本当に皆と遊んでこなくて良かったの?」
私の部屋に遊びに来ていた、彼氏である丸井ブン太に問いかけた。
「あぁ、いいのいいの。最近部活忙しくてお前とも会えてなかったしな。」
「大会、近いんだもんね?」
「そうそう。それで毎日暗くなるまで部活部活で、正直クタクタだぜ。」
「それはお疲れ様だねぇ」
私はブン太の赤茶色の髪の毛をよしよしと撫でた。
されるがままのブン太はまるで心を許した猫の様だった。
「じゃあ、そんなお疲れブンちゃんに甘いものをプレゼントしよう」
「お!まじで!?」
それまでテーブルに項垂れるように伏せていたブン太はバッと体を起こした。
そんなブン太を見て、ふふっと笑って私は席を立った。
「今日ねー、ブン太が来る前にコンビニでアイス買ってたんだよねー」
私は冷凍庫を覗きながら、ブン太に背中を向けてそう言った。
「おー、最近暑いからちょうどいいじゃん!」
「はい、お待たせ!どっちにする??」
そう言って私は、カップに入った青リンゴ味のアイスと、コーンに乗っかったバニラのソフトクリームを見せた。
「お!青リンゴじゃん!俺は絶対こっちだろぃ。」
「そういうと思ったよ」
私はクスクスと笑って、ブン太の前にアイスとスプーンを置いた。
「よっしゃ!いただき!」
ブン太は勢いよく食べ進める。
私もそんなブン太を見つめて、ソフトクリームを舐めた。
「ねぇ、ブン太。そっち1口ちょうだい?」
「おー、はいよ」
ブン太はスプーンに1口すくって私の口まで運んだ。
「あー…ん。お、美味しい!青リンゴって感じ!」
「なんだそりゃ。そのまんまじゃんかよ。」
そう言ってブン太は優しく笑った。
私はまた自分の手にあるアイスに向き直って、それを舐め始めた。
「俺も1口もーらいっ!」
ブン太はそう言って、私のアイスを舐めた。
その時、アイスを通して私の舌にブン太の舌が触れた。
2人ともそれに気づいてお互い顔を離した。
「もう!わざわざ私が食べてる時にいきなり舐めんなくてもいいじゃん!」
恥ずかしくて顔から火が出そうだった。
「わ、わりぃ!わざとじゃないよぃ!」
顔を真っ赤にして慌てるブン太に、思わずキュンとした。