第1章 1杯目
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どうやら詳しいのか、それとも行った事が
あるのか分からないがその通りである。
「そうそう、もしかして行った事ある?」
「行くも何も。
あの周辺で気になる事があるので
ポアロの店員になって探ってるところです」
「そうなんだ。
あ、たまに朝とかポアロに行ったりするけど
そうしたらあまり行かない方がいいよね」
「おや、来てくれないんですか?」
意地悪く聞いてくる。
あまりプライベートで組織の人間には会いたくない。
「……その聞き方はズルい」
「冗談ですよ、乃々華さんが嫌であれば
僕のシフトをお伝えするので僕が休みの日に
ポアロを利用して下さい」
なんか気まずくなって少し外を見る。
夕日が隠され、少し薄暗い。
「透くんはプライベートでも組織の人間に
会うのに抵抗ないの?疲れない?」
「どちらかと言えば会わない方が楽なんでしょうけど
僕はあまり気にしないかもしれませんね」
「すごいね、私は疲れちゃうよ」
「乃々華さんみたいに思う人も
いるでしょうし、そのままでもいいかと」
なんだか話しをしてて心地いい。
肯定してくれるからか話しをしてしまう。
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