第3章 3杯目
.
そんな素敵な誘いをされたら断れないし
何よりポアロの朝食は好きだ。
ずっとお世話になってるし
正直母よりも母の味って感じだ。
「昨日初めて会った時より
普通に話してもらえて安心します」
「え?」
「仕事柄仕方ないですが、少し甘えた声を
無理して出している気がしたので」
「あー、よく見てるね」
そう。
ベルモットに憧れて、男を骨抜きにしたくて。
組織の人間にも日常的にそう言った話し方をしていた。
ジンくんには全く通用しないけど。
あとは、
「ライくんにも通用しなかったな」
「ライ?」
「あ、ごめん。何でもない」
思わず口に出してしまった。
透くんはライくんの事は知らないだろう。
.