第1章 1杯目
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ベルモットはタバコを消しジンくんの元へ。
私は透くんに言われた通り、車へ移動した。
………白のスポーツカー。
「意外」
「おやおや、意外でした?」
「あっ、ごめん。口からでてた?」
「はい、ばっちりと聞こえましたよ」
少し恥ずかしい。
気を逸らす為に携帯を開くとベルモットからメール。
情報は後で、なんて言ってたけど
さっさと送られてきた。
一斉送信だったのか知らないメールアドレスにも
送っていたが、おそらく透くんのだろう。
「これって透くんのメアド?」
「じゃあこれは乃々華さんのですね?
そうしたら登録しておきます。
あと電話番号も教えて頂きたいですね。
———これから少しの間は恋人なので」
少し間を取って話す。
悔しいけど、かっこいいと思ってしまった。
お互いに連絡先を交換して、車に乗る。
「乃々華さんの家はどの方向ですか?」
「ここから少し遠いんだよね。
米花町5丁目なんだけど分かるかな?」
「何か目印は?」
「んー、米花町5丁目に喫茶店が
あるんだけどそこでいいよ。
あとは歩いて帰るし」
「…………米花町5丁目の喫茶店って
ポアロって名前じゃないですか?」
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