第1章 1杯目
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「———で、その任務とは」
少し圧を掛けるように、透くんが話す。
透くんも私と同じでハニトラ駆使して
情報得てる感じなのかな。
ベルモットはタバコを咥え、火をつけた。
煙を透くんに全て吐いてから話を始めた。
「欲しい情報があるの。
そいつ、よくパーティを開くからそこに出て欲しくて。
警戒させない為に少し距離感を詰めて欲しくてね」
「「了解」」
「ッフフ、仲がいい事。
ターゲットの情報は送っておくから、頼んだわよ」
透くんを見ると、なんだか今まで会った事がない
タイプの顔をしていた。なんだろう、この違和感。
あ、と透くんが口を開く。
「乃々華さん、僕の車に乗って下さい。
少し話しでもしながら送りますよ」
「ホント?ありがとう助かる♡」
果たして、こんな声を出してもなびく男なのか
正直分からない。というかなびいてなさそう。
やれやれ。
ベルモットもクセの強い人を連れてきたな。
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