第2章 君を想う
パンダが棘と眠る唯を見て、核心に触れる。
「ハッキリさせておきたいんだが。棘は、唯と番になるつもりはなかったのか?」
棘は僅かに目を見開いてパンダを見た。
「…こんぶ」
正直、よくわからない。
棘は静かに俯く。
気持ちの上では勿論なりたかった。
……でも。
番に、なれなかった。
なっちゃいけなかったんだ。
だって俺は、呪言師だから。
例えば憂太や、恵…。他の呪術師と唯が望んで番になるのであれば、それでいいと思っていた。
ただ、こんな形で番になる彼女を、見たかった訳じゃない。
それならいっその事、
……俺が。
そんな事しか浮かばない自分にも嫌気が差す。