第1章 幼馴染のあいつ【松田陣平】
「なあ櫻」
「んーなあに?」
「萩のことどう思ってる」
カフェで休んでいるときに聞いてみた。
「何その質問」
「いいから答えろ」
「なんも思ってない」
「ふーん。萩みたいなやつは?」
「女遊びが激しいことのこと?」
「ま、そんな感じ」
「刺殺されない程度にねとは思うよ。」
「もし櫻の彼氏がそういう奴なら?」
「しつこい。無理。そもそもそんなやつとは付き合えない」
俺は自分に対して言われているみたいだった
実際俺は遊んでいたし仕方のないこととごまかしながら買い物に付き合った。
「ね、このワンピースどお?」
「そっちよりこっちのほうが色的に似あうと思う」
どっちでもいい、そう言えないのは昔どっちでも良いと言ったとき萩に怒られたからだった。
「試着してくる。」
櫻はすぐに買うことを決め、サイズ合わせで試着室に行った。
その間にあのワンピースに似合いそうな靴を見つけ買うときに店員さんにばれないように同じ袋に入れておいてくださいとお願いをする。
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あれからしばらくして連絡を取ることがなくなった。
結局あの服を着る櫻を見ることもないまま何年かたっちまったな
と思いながら居酒屋に入ると個室に案内された