第2章 お巡りさん【諸伏景光】
「しつこいと逮捕されますよお兄さん」
「あ?いいだろこの女とホテル行くんだよてか、サツじゃねえくせに逮捕って」
笑いながら言うキャッチ
「さっき警察呼んだんでそろそろ来ますよ。あー、でもあんたが握ってるその手の中の女も警察ですよ?」
ニコって効果音がつきそうな笑顔
でも笑顔のはずの目はわらってない
私はすぐに胸ポケットに入っていた警察手帳を出すとすぐに逃げていった
「櫻 !!!」
えっ
「大丈夫か!?何もされてないか」
「も、諸伏さん?」
以前''スコッチ''と呼ばれていた男が私の目の前に現れた。しかしそのスコッチは私を知らないはずだし私も彼を知らない。
しかしあの時からスコッチは諸伏さんじゃないかと思っていた。
だから思わず諸伏さんと呼んでしまった。
きっと人違い、あの時きっと偶然名前を聞いて覚えていただけかもしれない。彼は本庁に居ない。きっと忙しい。きっと、私にも言えないことがあったはず。潜入捜査で別のところに行ってるのかもしれない。
だけど彼の前では何故か安心して涙が出てしまっていた。
「いや、違いますよね。前スコッチと呼ばれてましたし…すみません、大丈夫なんで帰りますね」
きっと彼は諸伏さんじゃない。彼は私に
女として見れないと言われていたから。それなら私を助ける必要も無いはず。