第3章 氷を溶かしたい
「俺じゃ悪いか?」
宇髄が苦笑する様に笑う。
「、、、いつもと雰囲気が違いましたので。失礼しました。
、、、何かご用でしょうか?」
今度は宇髄がじっと玲華を見つめる。
「お前に会いに来た、って言ったらどうする?」
玲華から、氷が割れるような音がする。
「、、、その様な冗談は嫌いです。
、、、用がないようでしたら、お帰りください。」
玲華が宇髄に背を向ける。玲華からは、驚くほど冷たい音がする。
「悪い。何か気に障ったか?」
あまりにも冷たい音に、宇髄は自分が彼女の地雷を踏んだ事に気づいた。慌てて玲華の腕を掴もうとして、玲華に払われる。
「、、、っ、、、失礼します。」
玲華は宇髄に背を向けて、小走りで駆け出した。咄嗟に宇髄も後を追う。しかし宇髄はどうしていいかわからない。本気を出せばすぐに追い付くが、追い付いたところで抱きしめるわけにもいかないのだ。
「、、、悲鳴嶼さんっ」
玲華は廊下の先にたまたま診察に来ていた悲鳴嶼行冥を見つけた。玲華は悲鳴嶼の後ろに隠れる様に立つ。悲鳴嶼は不思議そうにしていたが、宇髄が来たのを感じ、2人に何かあったことを察知した。