第5章 溶けた氷の中は
「、、、音柱様。」
「どした?」
宇髄は視線を玲華に向けずに返事をする。
「、、、音柱様は、誰にでもこの様にお優しいのですか?」
思ってもみない質問に、宇髄は玲華を見る。玲華は庭の方を向いていた。
「、、、どうしてこの様に会いに来てくださるのですか?他の隊士にもしているのでしょうか?それとも私にだけでしょうか?用事がないとどうしていいかわからない私の為に、わざわざ甘味を買ってきて下さってますよね?そうまでして私と一緒にいたいと思って下さってるのでしょうか?」
宇髄は呆気に取られた。玲華がこんなに話すのを聞いたことがない。
「、、、音柱様がいらっしゃらなかった間、ずっと考えておりました。」
玲華は一瞬、宇髄を見つめると、また庭を見た。
「、、、考えれば考える程、わからなくなりました。でも、一つ気づきました。私自身がこんなにも音柱様のことを考えている。そして、それはなぜなのか。」
玲華は一度俯くと、深呼吸をしてから宇髄に向かって顔を上げた。
「、、、お慕い申しております。」