第5章 溶けた氷の中は
「この団子、うまいな。」
「、、、そうですね、美味しいです。」
宇髄は団子を飲み込むと、お茶を啜った。玲華はまだもぐもぐと口を動かしている。玲華を見ていた宇髄は、あることに気づいた。
「そのリボン、つけてくれてるんだな。」
以前、宇髄が玲華の瞳の色だと言って贈った青いリボン。玲華はポニーテールにした髪に結んでいた。玲華からかすかに照れた音がする。
「、、、変、でしょうか?」
玲華は少し俯いた。
「いや、良く似合ってる。」
宇髄は玲華の長い髪をさらりと撫でた。玲華は驚いたように顔を上げる。
目が合う。
お互いに目が離せない。
「、、、玲華。」
宇髄の親指が、玲華の唇を撫でる。
「、、、あっ、、、」
玲華から吐息の様な声が漏れる。宇髄の手はそのまま玲華の頬を包んだ。
「、、、っ、悪い。」
正気に戻った宇髄は、慌てて手を引っ込めた。あのままだったら、玲華に口付けの一つもしていたかも知れない。視線を他に移す。