第1章 日常
"いつも身につけているアクセサリー"を客毎に使い分け、数えきれない程の指名客との会話や関係性を記憶している優菜は正にプロ。
抱きついたまま、腕の力を緩ませ顔を近づける。
「本当にありがとう…。凄く嬉しい」
優しく重ねられた唇に、只野弘(元童貞)はピシリと硬直した。
彼もまた常連客。
だが経験が乏しい故、入室して行為に及ぶまでに莫大な勇気を要する。
それに加え、ガチ恋勢である。
「ねぇ、ぎゅって…してって…お願いしても良い?」
「こ、こうでありますか!!?」
ありがとう、とぎこちない腕に抱きしめられる優菜は時計に目をやった。
(イケる。これは下で致さずに更に延長取れる)
「ねぇ、今日は…その…シないの?」
「あの!えっと!!あの!!」
至近距離での美女の上目使いに、只野弘(元童貞)はたじろぐ。
『お時間終了5分前です。退室のご準備をお願いいたします』
「あぁ!もうこんな時間だ!!行かなければ!!」
「え…ダメだよ、折角お金払って会いに来てくれてるのに!」
優菜は只野弘(元童貞)のベルトを手早く外すと、突然の事で動けずにいるのを尻目に下着ごとGパンをズリ降ろした。
「優菜ちゃん!!そんな!はしたない!!ありがとう!!いや!違う!!待って!!」
「…ダメ?だって…キスとハグだけだなんて…10分だけ延長って出来る…かな?」
十分勃起していた男根に指を這わせ、切なそうな顔でそれに口付ける優菜はそのままの位置取りで只野弘(元童貞)を見上げる。
「光栄であります!!」
「ごめんね、10分だけど…愛させてね」
チュッとリップ音を立て、裏スジに口付けた優菜の手が股の付け根を撫でるように陰毛の茂みを滑る。
プルプルと身悶える只野弘(元童貞)の先端からは、既に透明の我慢汁が滴っていた。