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首輪をつける

第13章 弄玩


状況を読み込めずぽかんとするにお構い無しで、堂々と部屋に入り込んだ。

を見上げ、

「君が新入り? じゃーぼくと遊ぼ」

臆せずに話しかける。

はぽかんと口を開いていたものの、改めて少年に向き合う。

上半身を屈めて視線を合わせ、眉尻を下げた。

「えっと、お客さん? あのー、まぁよく聞かされてないんですけど子供が娼館に来るのはちょっと問題があるかと……」

「は? 違うし」

少年はぶっきらぼうに言い返し、を真っ直ぐに見つめる。

「ぼくがここの娼館の主! 今日は新入りが来るからってカルファさんに言われてるの! 顔見に来たの」

「そッ……そうなんですね? えっと、お名前は? わたしはって言います」

「ローエン」

「ローエンくん」

が名前を繰り返すと、ローエンは心做しか満足そうにし、

「の膝座っていい?」

じっと上目遣いにの様子を伺う。

「いいですよ、どうぞ」

が頷くと、膝の上にほっそりとした柔らかな感触が重なる。

の上半身を背もたれのように使い、完全に身を任せた。

ローエンは何を言う訳でもなく、の膝の上でくつろいでいる。

胸に寄りかかったローエンの後頭部を見下ろしながら、そっと頭に触れた。

そのまま優しく撫で手触りを楽しんでいると、ローエンがを振り返る。

「なんで撫でるの?」

はローエンの問いに目を瞬かせた。

「えっと……その、ローエンくんが可愛くて。ダメですか?」

ローエンはじっとを見つめ、

「……別にいいよ」

またふいっと前を向く。

少年ながらに娼館の支配人をやっているという彼。
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