• テキストサイズ

首輪をつける

第12章 転機


カルファは締め付けから逃れようと必死に身を攀じるも、ネアの身体はビクともしない。

「か、はッ……!お、おい!悪がっだ、って、だがら、離してくださいお願いッしまず……!お前の番を虐めてた訳じゃねぇえ……!」

「い、虐めてたじゃないですか……」

「余計なこと言うんじゃねえええ貧乏人!」

その瞬間、ネアの身体がカルファからぱっと離れた。

床に叩きつけられるように落ち、息も絶え絶えだが、カルファは解放された安心感に胸を撫で下ろす。

痛む全身に顔を顰めながら、小さく息を吐いた。

「いっ、てぇえ……マジ死ぬところだった、息出来ねえ、死ぬわ……!」

ネアを見ると、ぽっと顔を赤らめ、もじもじと身体をくねらせていた。

「ツ……ツガイなんて、恥ずかしい……」

カルファがネアから逃れようと訳も分からず口にした番という言葉。

どうやらネアはそれに反応して、たまたまカルファを離したようだ。

カルファはそんな姿を横目に苦々しい顔で呟く。

「ほんと訳わかんねぇ蛇って……くっそいてぇええ……」
/ 184ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp