第12章 転機
所変わってカルファの豪邸。
日差しの降り注ぐサンルームでお茶を愉しむカルファと。
「へー……そりゃあ大変だったな」
の口からアルドの話を聞いたカルファが物珍しそうに呟いた。
真新しいティーセットで入れられたマタタビ茶を飲みながら、上目にを見る。
「お前異種族にモテるんだな」
はカルファの相づちに口を尖らせる。
自分は紅茶を啜りながら恨みがましく呟き、
「知らないですよ……色んな人から無理矢理滅茶苦茶にされて、たまったもんじゃ」
ネアが物陰から此方をじとりと見ていることに気がついた。
「ない、ことも無いですけど! いッ、異種族でも悪い方ばかりなんてことは有り得ませんし!」
そう断言すると、ネアがサンルームから奥の暗がりへと帰っていく。
は密かに胸を撫で下ろす。
カルファはそんなことに気がつかず、
「ふ〜ん」
気の抜けた相づちを打つ。
「いやでもさあ……マジでお前魅力があると思うよ、それって一種の才能じゃない?」
の顔が歪む。
警戒心を顕にティーカップから手を離し、自分の身体を抱き締める。