第11章 主従
アルドはあっけらかんとした様子で、不機嫌そうなサピルーンに声をかける。
「悪かったな、カルファの執事さんよ。これからはちゃんとあんたに許可を取ってから会うことにするよ」
「……わたくしに言った時点で、様と二人っきりで会う許可など未来永劫出しませんよ」
サピルーンはぶっきらぼうに答え、を姫抱きに抱えあげた。
「行きましょう、様。お身体を労わってあげませんと……」
「は、はい……」
はこくんと首を縦に振り、二人を振り返った。
サピルーンは以外に全く興味が無いようで、一刻も早く帰りたいと言わんばかりにスタスタと足を進める。
ヴィークは気まずそうに頭を下げ、アルドは笑ってに手を振る。
はそんな二人の様子に何処かほっとした気持ちで、サピルーンに連れられ城を後にした。