第11章 主従
「あ……」
下腹が反応し、ムクっと膨らんだ。
アルドへの呆れ、への申し訳なさ、自分への嫌悪感。
様々なものが入り交じってその場に無言で立ち竦んでいるものの、内心酷く狼狽していた。
元々ヴィークは女性経験も少なく初心で、こういった状況には酷く動揺する質だった。
しかしこんなにも節操無く反応するのは初めての事で、焦りからヴィークはにかける二の句を継げない。
アルドはそんなヴィークの様子を面白そうに眺める。
「ヴィーク、何おっ立ててんだ? 潔癖なお前が珍しいな」
「ッ!」
アルドの言葉にビクッと肩を跳ねさせる。
もアルドの言葉を受け、思わずヴィークの方を見る。
ヴィークはそんなの視線を感じるも、身体を強ばらせたまま動くことができない。
直立不動で、ぴんと反応させた自身の逸物に視線が注がれるのを感じ、興奮に震える。
アルドは誰も気が付かない程微かなヴィークの身震いも手に取るように分かる。
ベッドの上から、頼れる側近からアルドの指示に従うのみの下僕と化したヴィークに声を掛ける。
「そんなに興奮したか? 俺様とちゃんが交尾したって分かって」
ヴィークの耳が跳ねる。
「そ、そんな……アルド、様……」
の存在を意識し、荒い息を吐きながら困惑した表情で縋るようにアルドを仰ぎ見る。