第11章 主従
「あの……貴方は……」
アルドがそんなヴィークの様子を見て笑う。
隣の彼女に手を回して抱き寄せ、
「どうせこいつからは逃げられないぜ? お詫びがしたいって世界の果てまで追いかけ回されるぞ。顔くらい見せてやれよ、そうしないと納得しないからな」
悪戯っぽく言うと顔まで包み隠しているシーツを強引に奪った。
「ッ」
の顔が顕になり、ヴィークの髭がピンと伸びる。
一度会っただけとは言え、アルドの口からは散々彼女の良さを語られていた。
そんな女性のあられもない姿に驚きを隠せない。
それに加えて、自分の主と今まさに交わっていたと下衆な妄想が働き、後ろめたい興奮に喉を鳴らした。