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首輪をつける

第2章 競り市


「さあそれでは商品番号1番の少年から行きましょう! 種族は熊! さあ10000から……」

競りが始まり白熱していく場内と対照的に、執事服の青年の顔はこれ以上ない程に青ざめていた。

薄い唇も血の気が引き、おまけに戦慄くように震えている。

猫の青年が隣の彼の様子に気が付き、金色の瞳を彼に向けた。

「ん、どうした? サピルーンお前顔色が悪いぞ」

サピルーンと呼ばれた彼は動揺を指摘され、困惑のままに震える指を伸ばした。

戸惑うサピルーンの視線の先には、人間の女性が立ち竦んでいた。

サピルーンはブルブルと唇を震わせ、歯を打ち鳴らしながら小さく口を開く。

「彼女は……彼女、は、わたくし、の、幼馴染みです……」

極度の緊張感から喉が乾き、絞り出した声は掠れていた。

「へー」

猫の青年はさして動揺することも無く、サピルーンと人間の彼女を興味深そうに見比べる。
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