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首輪をつける

第2章 競り市


見世物小屋のような造りの広い建物。

中心には大きなステージがあり、それを囲むようにして客席が備えられている。

二人が客席の後方に座るのと同時にステージの幕が上がった。

「さあ競りが始まりますよ〜、今日の商品はこちらとなっておりま〜す! 一期一会の出会いを紳士淑女の皆様、どうぞお楽しみくださいませ!」

中央に立った中年男が甲高い声での早口に喋る。

ステージの上にズラっと整列した人々を指し示し、客席に向かって翼を振った。

太った老婆が、半泣きの少年が、無表情な青年が、見目麗しい女性が。

性別も歳も、種族も様々な彼らのたったひとつの共通点。

それは、全員今日の競りに掛けられる商品であるということ。

共通の奴隷の証である首輪を付けられ、逃げ出さないように足輪を嵌められ、商品として立ち並んでいる。
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