第8章 待て
に向かって腕を伸ばし、
「しかもなんと! 俺様は王だ!さあかわい子ちゃん俺様とランデブーしようぜえ!」
キラキラとした笑顔を見せる。
王の言葉にカルファがぴくんと反応する。
を追いかけ回す男の顔を見つめ、
「思い出した……こいつ、アルド王だ」
手を打った。
「小国を収める王族の血筋で、一見ただのボンボンだけど。正真正銘王様だ」
「えっ、ええ!」
は尚更困る、と眉を八の字にする。
アルドは首を傾げ、カルファを横目で見る。
「もしかして……この猫の兄ちゃんといい仲だったり」
「有り得ないです」
即座に否定すれば、アルドは嬉しそうにうんうんと頷く。
はひそひそ声でカルファに話しかけた。
「ど、どうしましょう……わたし、そんな由緒ある方とのお付き合いなんて、全く考えてなくて」
「……そりゃそうだろうな。まあ俺に任せとけよ」
「助かります……! 上手に断ってください」
カルファはちょいちょいとアルドの肩をつつく。
「おい王様。俺はこいつの恋愛まで関係ねえし、関与する気もねえ。犬コロの好きにしたらどうだ?」
「へ!?」