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首輪をつける

第8章 待て


が不満げに頬を膨らませる。

賑やかな街中を散策しながら、隣のカルファを睨みつけた。

「お買い物くらいカルファ様一人で行けばいいじゃないですか、なんでわたしが……」

の両手にはカルファの買った物がぎっしりと詰まった袋が握られている。

カルファは異国のティーセットを珍しそうに見つめ、

「俺は貴族だぞ? 襲われたらどーすんだよ、頭使え」

店員に金を手渡す。

「じゃあサピルーンさんでどーですかー……」

「おい、散歩に護衛を連れてくか? お前くらいで丁度いいんだよ」

「意味わかんないです」

「ほらこれ」

カルファはの不満を軽く受け流し、丁寧に包装されたティーセットを当然のように押し付けた。

「…………」

は渋々受け取り、どんどんと増えていく荷物にため息をついた。

カルファはを置いてさっさと先に行き、既に店のドアを押さえている。

に向けてドアを大きく開き、しっぽでパシパシと床を叩く。

「おら、行くぞー」

は呆れ顔で両手に力を込める。

「んっ、もう!」

必死に荷物を抱え上げ、ドアによたよたと向かう。

「あ……」

が開いたドアをくぐろうとした瞬間、反対から入ってきた男性とぶつかった。
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