第7章 後始末
せめてもの意地で着た寝間着と下着も、広い浴場にたどり着けば脱がなければならない。
上半身はそのままに、タオルで下腹を覆い隠す。
俯きがちに浴室に踏み込むと、服を着たままのカルファが待ち受けていた。
「……蛇の精子は潜伏期間が長い」
そう言い、に風呂椅子に座るよう勧める。
「メスが忘れた頃に孕むこともあるからな」
「そ、そんな」
「もうおせーかもしれねーけどな、一応」
は素直に椅子に腰掛け、恐る恐るタオルを剥ぎ取った。
顕になった下半身をカルファに見せつけるように、そっと脚を開く。
充血し、緩んだ秘部から濁った汁が垂れ落ちた。
カルファがこくりと喉を上下させ、爪を仕舞った指先に石鹸水を纏わせる。
「ぁ……」
優しくひだに触れて指先を伝わせ、ゆっくりと体液をこそいでいく。
孔に指先が触れ、中の精液を掻き出した。
ほじるように奥に進み、また引き抜かれる。
繰り返されるうちにの息は荒くなり、顔は真っ赤に上気していた。
ぬるま湯で二人分の体液を流される度、指先が優しく擽る度、何とも言えない浮遊感が腰を包み込み、は薄く唇を噛んだ。
「何死にそーな顔してんだよ……」
湯気の立ちこめる大浴場で二人っきり。
カルファは黄金色の瞳でを見上げ、人懐っこく笑った。
「心配なのはわかるけどさ……それ用の薬も呑ませるから絶対大丈夫だって、安心しろよ。身体に害もないし」
励ますようにそう言っていると、どんどんとの顔色が変わる。
脚をぱかっと開いたまま、
「へ?じゃあ、なんでわざわざこんなこと……」
「……え?」
合点がいき、はカルファの顎を思いっ切り蹴り飛ばした。
「いってええぇええっ!おっ、おいこら!俺はお前の主人だぞ!」
カルファは顔を押さえてに向かって毛を逆立てる。
も負けじとタオルを引き寄せて身体を隠し、手桶や石鹸、ありとあらゆる物を掴んでカルファに投げつける。
「あっぶねえッ! おい! こんな騒いでたら、人が……!」
「変態ッ!ほんっとッ! 最低!」
浴場にの絶叫が木霊した。