第7章 後始末
「まるで御伽噺のラミアだな。その上アルビノ……白変種の蛇男か……珍しい」
カルファは静かに呟き、にっと口角を上げた。
「白蛇は吉兆の印だ。お前ある意味ラッキーかもな」
ケラケラと笑い、の頭を乱雑に叩く。
は怒る気も起こらず、ただただカルファを睨みつける。
「ふ……随分衰弱してるな? まあ無理もねーけど」
を見下ろしながら、淡々と吐き捨てる。
「この蛇男に襲われて、延々とヤり続けで参っちまってるってとこか? 蛇っつーのは飲まず食わずで何日も絡み合って交尾するんだよ」
はカルファの言葉に息を詰まらせる。
「え、こ、これ、あとどのくらい続くん、ですか……」
「今何日目だ?」
上手く回らない頭で襲われた日の夜を思い返し、日が昇った回数を思い返す。
「多分、二日、くらい……もうよく分かんないですけど……」
が曖昧に呟く。
「じゃあもう一昼夜はいくんじゃねえかなあ」
カルファは言葉を失うの髪を掴み、無理に視線を合わせるとグリグリと揺らす。
「だーから窓開けて寝るなって言ってんだろ、馬鹿。クソ貧乏、危機管理能力ゼロ、てめえに隙があるからこんな変なのに入り込まれちまうんだよ」
「い、言うに事欠いてそれですか……よくもそんなつらつらと、好き勝手に罵倒を……! それに、あんな小さい窓から、普通人が入れると思いますか……。いや、そんな事より、早く、助けて……っ」
カルファは無表情に首を振る。
「無理だ」
「え……」
絶望的な気持ちになるに淡々と説明をし、頭を弄んでいた手を離す。
「交尾の真っ最中に手ー出したりしたら俺が殺されるか、お前が死ぬかだ。諦めろ」
「な、なんでわたしが死ななきゃならないんですか!なんでわたしが!?」
「俺はどーでもいいのかよ……」