• テキストサイズ

首輪をつける

第6章 蛇のように執念深い


無意識に、二叉に分かれた真っ赤な舌先をチロチロと揺らしては、の頬や髪を愛おしそうに触れる。

下半身をうねらせ、音も無くベッドに這い上がった。

古いベッドが軋み、は眉根を寄せる。

まだ微睡んだ状態で、うっすらと目を開いた。

「ん……誰……?」

自分の上に馬乗りになる人物を目で捉えた瞬間、青年の肉体が身体全体に絡みつく。

「んッ……!?ん、んんっ!んー!ふっ……!ぅ……!」

全身をギチギチと締め上げられ、くぐもった悲鳴を漏らす。

青年は困ったように眉尻を下げ、の耳元に顔を寄せた。

「ダメ……声出しちゃ、だめ、猫くるから……」

「……ね……こ……」

の脳裏にカルファの顔が浮かぶ。

泣きそうな顔でこくこくと首を振ると、少しばかり締め付けが緩んだ。

恐怖に怯えながら、懸命に息を吸う。
/ 184ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp