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首輪をつける

第4章 住めば都と言うけれど


「え」

二人の口から驚きの言葉が漏れ出る。

「……つーかこんな部屋あったか?」

カルファがサピルーンを見上げる。

「ええ、ありましたよ。ここはカルファ様のお父様が大工の見よう見まねで作っただとか……或いはカルファ様のひいおばあ様が人目につかない死に場所として作らせただとか、真偽はよく分かりませんが。何故かほとんどの人がこの部屋を認識しておりません……」

ぞくぞくと出る身内発祥のろくでもない謂れにカルファは顔をしかめる。

「だってよ。お前いーのかよ、そんな場所で。普通にダメだろ、最初に見たどれかの部屋に変えればいいじゃねえか」

「…………」

は捨てられた子犬のような目でカルファを見つめる。

カルファはうっと面食らい、

「お、俺はいいけど」

はぱあっと表情を明るくする。

「じゃあ、ここで……お願いします」

カルファは嬉しそうなを訝しげに見つめる。
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