第1章 種族に貴賎なし
獣人。
動物と人間の特徴を併せ持つ種族。
身体的能力や感覚に優れた者が多く、人間と同等の知性を持つが、本能に支配された行動や倫理観が目立ち、時に問題とされる。
便宜上獣としているが、中には爬虫類をルーツとする者もおり、多岐にわたっている。
見た目は動物の特徴を色濃く反映しており、毛並みや爪、耳や舌など皮膚や末端に掛けて顕著である。
しかしながら動物とは違って、言語でのコミュニケーションと二足歩行を可能としている。
脳、骨格や内蔵、声帯等の器官において、獣と獣人は決定的に異なっていると言えるだろう。
何処ぞの狂った研究者が生み出した実験動物が繁栄した、愛玩動物の成れの果て、人以外の種族も正当な進化の道筋をたどった結果だとか。
今となっては定かではない。
兎にも角にも、今、人間は獣人と共存している。
これは彼らが生きている以上、到底覆しようのない事実なのだ。