第4章 住めば都と言うけれど
「んじゃーここ!親族の誰かが使ってた部屋!」
「ここは? 料理人達の住んでる雑魚部屋」
「ここ。もう使ってない地下のワインセラーで」
「これはどうだ? 元々子供部屋で……」
「じゃあこっちだ! 書斎なんだけどさー」
「ここは……」
次々と部屋を見せられ、広い屋敷を歩き回り、目の回りそうな。
サピルーンが溜まりかねて口を挟んだ。
「カルファ様、一旦休憩なさいましょう。屋敷の空き部屋はもうほとんど見てしまいましたし」
カルファも流石に疲れたのか、素直に足を止める。
をじろっと睨んだ。
「……なーんかどれ見てもピンと来てねえ感じなんだよな、お前の反応。うわぁーこの部屋素敵〜! くらい言えよな」
「そ、そう言われても」
は困り果てたように視線を泳がせる。