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首輪をつける

第4章 住めば都と言うけれど


「ここはどうだ?」

カルファがとある部屋の扉を開く。

シンプルなデザインのベッド、机、椅子、クローゼット。

はおずおずと部屋に入り、必要最低限の家具が揃えられた居室を見渡す。

「ここはメイド達が住んでる部屋だな。今この部屋は誰も使ってねえ」

はカルファを見つめ、曖昧な笑顔を浮かべた。

「住まわせて下さると言うのなら、わたしはどこでも……」

「やめた! 他のところにする」

くるっと背を向け、部屋から出ていくカルファ。

とサピルーンは慌てて彼を追いかける。

「え? わたしは別にここで……」

「だってお前気に入ってねーじゃん! そういうの嫌なんだよねー、俺」

手にした鍵束をチャラチャラと回して鼻歌を歌うカルファにとサピルーンは顔を見合せた。
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