第20章 最終日
「よ」
の部屋の扉を開いた猫の男。
と目が合い、カルファはにっと目を細めた。
は無表情ながら嫌悪の感じられる視線でカルファを見る。
「随分と出世したな、え?」
「……そうですね」
ベッドに腰を置いたまま、ふいと視線を逸らした。
カルファは面白そうにケラケラと笑い、隣に腰を下ろす。
手のひらをグーパーと握り締め、足先を揺らす。
「最近さあ、貧乏に狂ったみたいに金を落とす奴がものッすげぇいんだよなぁ。お前はっきり言って今この娼館のナンバーワンだぜ?」
の脳内に今まで会ってきた男の顔がよぎる。
口を噤み、眉根を寄せた。
カルファは露骨に気分を害した様子のの背を叩き、
「そんな顔すんなって」
懐っこい顔で笑う。