第20章 最終日
「……ほんと、変わりませんね」
「あ? なんか言ったか」
「いーえ」
が心底呆れた目で見つめていると、口を尖らせた。
「つーか今日の俺は客なんだから、愛想笑いくらいサービスしろよな」
「え」
の顔色が変わる。
カルファがに体を向け、をまじまじと見つめる。
「俺も主人としてさあ、お前の具合くらい確かめとこっかなって」
「じょ……冗談、ですよね……」
は青ざめた顔で一歩後ろに下がる。
「あいにくそういう手の冗談は嫌いなんだよ」
の手の上にカルファの手が置かれる。
の顔に尖った鼻先を寄せ、額を舐めた。
「ひっ……!」
が声を引き攣らせるのにもお構い無しに、頬を舐め、首筋に舌先をやる。
甘えるように鼻を鳴らし、の匂いを確かめる。