第3章 子猫のワルツ
カルファの答えにサピルーンは思わず普段の落ち着いた面持ちを破顔させた。
「左様でございますか! カルファ様!」
カルファは至って冷静にサピルーンを見つめる。
「ああ、そうする。なんだ、問題でもあるか?」
「いえ、とんでもございません……!」
が館に行かないと分かり、サピルーンは喜びを抑えきれない。
当の本人であるは何の事か分からず、ただきょとんと目を瞬かせていた。
「まあそういうことだ。貧乏人、お前は今日からここで暮らす。言わばペットだな」
「ペットォ!?」
信じられない単語に驚愕する。
そんな彼女を置いて、カルファとサピルーンはどんどんと話を進めていく。
「それならばお部屋を決めなくてはなりませんね。まさか、カルファ様の部屋には置かれないでしょう?」
「当たり前だ。ノミでも持ち込まれたらどーする」
「それはないと思いますが……わたくしも賛成です、無数にある空き部屋の用途に困っていたところですから」
カルファが唖然とするを振り返る。