第3章 子猫のワルツ
「あの、カルファ様」
「なんだ」
とのじゃれ合いに水を刺されたカルファは不機嫌そうにサピルーンを見る。
「様は今後もこの屋敷に置かれるのですか?」
「あーそうだ、悪いか?」
サピルーンはカルファに臆することはないものの、少しだけ顔を曇らせた。
「滅相もございません。ただ……どちらで働かせるのかと、思いまして」
サピルーンの問いかけに、カルファは口に手をやる。
しっぽの先をしゅたっしゅたっと揺らめかせながら、天井を仰いだ。
「んあー……ああ、どうすっかなあ」
「…………」
サピアはカルファの言動を固唾を飲んで見守る。
は自分の先行きを話されているにも関わらず、サピルーンのあまりにも真剣な様子に口を挟めない。
長い沈黙の後に、カルファが口を開いた。
「とりあえず、当面は俺が飼うことにする」