第16章 二匹の獣
部屋中にヴィークの絶叫が響き渡る。
「ああああああああッ! ぐ、っう! うッぐ……うぅううっ! おッ……」
強烈な痛みと吐き気にのたうち、悶絶するヴィーク。
「おーおー、凄い悲鳴だ。いくら鍛えてるお前でも、そこは別格だな」
両手で股間をぎゅっと押さえ、ベッドの上を転がる彼を笑顔で見下ろす。
「おごっ……!あっ、ぐうぅ…ッ」
「手を退けろ、ヴィーク」
ヴィークのモノはすっかり萎え切っているが、アルドは全くお構い無しに冷静に吐き捨てる。
それどころかアルドは鞭を持つ手に力を込めた。
「あ……あぁ……っ」
ヴィークは怯えを顕に、四つん這いのまま、痛む股間からゆっくりと両手を離す。
大きく股を開き、下半身がアルドによく見えるように腰を突き上げた。
アルドはヴィークの股間に短鞭を割り込ませると、思い切り打ち据えた睾丸を先端で自分の方へと持ち上げる。
「うッ! ひっ……お、ぎ、あ……るど、……さまっ……! 申し、訳……あああぁああああ! あっ! あああ!」
先端で玉をぐりぐりと捏ねあげられたり、袋を持ち上げて揺らされる度、ヴィークの苦悶の表情が更に歪む。
「俺様の未来の妃に本気で発情するとはな……その上襲いかかるだ? 本当に良い根性だな」
アルドの目が鋭くなる。
ヴィークの腰が恐怖に跳ねた。