第16章 二匹の獣
口端から無意識に息を零しながら、
「様、失礼致します」
アルドに凭れるようにして座り、こちらを見つめるに手を伸ばした。
優しく腕を取り、スムーズにドレスを脱がしていく。
下着姿でベッドに沈むを見下ろし、ヴィークは喉を鳴らした。
「流石にここまでは手慣れたもんだな。問題はここからだぞ」
アルドの含んだ言い方に目の端で睨みを利かせる。
黙って脱がせたドレスを畳み、の背に手を回す。
ゆっくりとホックを外した。
顕になった胸の膨らみに視線を注がれ、は頬を赤らめる。
恥ずかしそうに胸元に手を当てるの元に歩み寄る。
「綺麗だ」
優しくささめき、の両手を剥がした。
「ほらヴィーク、ここまでお膳立てしてやったんだ。最後も脱がせろ」
「分かっ、た」
アルドの誘いかけに頷き、に深く頭を下げる。
最後の一枚に手をかけ、そのまま下ろしていく。
一糸まとわぬ姿になった。
「様……お美しい……」
ヴィークは熱っぽい目で見つめ、密かに息を荒くする。
その言葉にアルドも頷き、
「ちゃん一人だけ裸にさせておくのも可哀想だ」
着ていた服を脱ぎ捨てる。
アルドが恵まれた裸体を披露すれば、ヴィークも鍛えられた鋼のような肉体を晒す。
「ちゃん」
「様」
二人がかりでに迫り、ベッドがぎしりと音を立てた。
✱