第16章 二匹の獣
アルドがを軽々と抱え上げ、広いベッドに優しく下ろす。
その後に自分もの隣に腰を下ろし、
「ちゃん」
優しく見つめて名前を呼び、背中に手を回す。
ゆっくりと引き寄せて身体を丸める。
鼻先を押し当てて柔らかく唇を重ね、そっと髪を撫でた。
「ン……擽ったいです……」
優しい手つきにはくしゃりと笑う。
アルドは目を細め、再度啄むように唇を触れ合わせる。
ベッドの下で跪き待機していヴィークに視線をやり、指先を折り曲げて此方に来るように指示する。
ヴィークが頭を下げてベッドに乗り、軽くスプリングをきしませる。
アルドは緊張気味にベッドの端にしゃがむヴィークを面白そうに見る。
「ヴィーク、ちゃんの服を脱がしてやれ」
アルドの提案にヴィークが目を見開く。
「なっ、そんな事ッ……アルド、お前がやるんじゃないのか?」
「お前もこういうことに慣れておいた方が良いだろ。いざという時に恥をかくぞ?」
「…………」
ヴィークは苦々しい表情を浮かべ、改めてとアルドを見る。
アルドの腕に収まるが頬を染めながらも拒絶しないのを見れば、無言で頭を垂れる。