第16章 二匹の獣
アルドに促され、がその大きな膝の上に座る。
「いい子だ」
素直に自分の足の間に収まったを見下ろし、優しく頭を撫でた。
ヴィークは正面から二人の睦まじい姿を見つめ、密かに息を荒くする。
額にそっとキスを落とし、背後からの両腕を取る。
「あ……」
ヴィークに向かって剥き出しの胸を突き出す形になり、恥ずかしそうに視線を揺らす。
身動きできない焦りも手伝い、小さく戸惑いの声を漏らした。
アルドはそんなの機微を察知し、優しく、しっかりと腕に力を込める。
ふかふかした毛が背に触れ、は素肌からアルドの温もりを感じる。
視線を上げると、アルドが目を細めの頭を撫でる。
「大丈夫だちゃん、今日は酷くしたりしない。ヴィークに任せておけ」
「はい……」
ヴィークは二人のやり取りを見納め、マットに膝をついた。
身体を屈めての両腿に手をつく。
自身と異なる滑らかな肌と柔らかさに静かに喉をしゃくる。