第3章 子猫のワルツ
どっかりと座っていた椅子からぴょんと腰をあげると、まだ落ち着かない様子で固まっているに顔を近づける。
「良い買い物をしたな、サピルーンの幼なじみなんて」
ほくほく顔で言い、
「な、貧乏人」
に晴れやかな笑顔を見せる。
は眉間に皺を寄せ、ボソリと呟く。
「……それわたしの事ですか」
「そーだよ、お前以外誰がいる? 俺か? サピルーンか?」
「いーえ! わたしです!」
カルファがわざとらしく自分の顔とサピアルーンの顔を指さすので、はムキになって声を張る。
カルファはの返答に面白そうに目を三日月に細め、けたけたと笑った。
「思ったより気が強そうだな。俺はこーいう跳ねっ返りが好きなんだ」
如何にも楽しくて仕方ないと言った調子で言い、サピルーンに顔を向ける。
「なあサピルーン、こいつの名前なんて言うんだ?」
唐突に話を振られ、に見惚れていたサピルーンの肩がビクンと跳ねる。