第3章 子猫のワルツ
「カルファ様」
カルファの部屋がノックされ、甲高い声で名を呼ばれる。
カルファは扉に目を向け、入れ、とぶっきらぼうに言う。
恭しく扉が開き、
「失礼致します……このような形で宜しかったでしょうか?」
メイドが一歩後ろに下がる。
が弱々しく中に入り、部屋にいる二人の男を上目に見つめた。
サピルーンが息を呑む。
真っ白な正絹のワンピースを着て、まっさらなミュールを履いた彼女は見違えるようだった。
荒れていた髪も綺麗に洗われ、高級な香油を付けた首筋からは甘い匂いが漂う。
カルファは変貌したをちろちろと眺め、待機しているメイドに淡々と命じる。
「よし、いいぞ。下がれ」
「はい。失礼致します」
メイドが部屋を出ると、カルファは一気に相好を崩す。