第3章 子猫のワルツ
「見れば分かるだろ。俺が出かける時にこいつを連れていたか?」
「さ、左様でございます」
「それじゃあこいつの身だしなみを整えてやってくれ」
カルファがを手で指し示す。
「はい! カルファ様!」
従者達はピシリと整列し、声を揃えた。
直ぐにを取り囲み、
「お嬢様、お召し換えのお時間です。どうぞ此方へ」
にこりと微笑む。
「え、あの……」
「カルファ様のご命令ですから。どうぞ、お気になさらず。今すぐ風呂の準備を! それと衣装室から彼女に似合いそうな服を見繕っておきなさい」
人間のメイドに腕を取られ、あわあわとカルファを見れば、既に踵を返しており、不安そうにこちらを振り返るサピルーンと目が合った。